以前、ブログでガン保険の商品に大きく分けると、
2つの潮流が見られることをお伝えしました。
http://ameblo.jp/hoken-i-mark/entry-10973039962.html
@ガンの治療の一つ一つの項目、
例えば入院、手術、退院、抗がん剤治療、
緩和治療などのステージごとに特約を用意して
その都度、給付金が出るグループ。
A治療の行為や入院日数には関係なく、
ガンと診断された場合に数百万円の保険金が出るグループ。
(治療の内容に係わらず、掛かった費用を全額補填する保険も
このグループに入れることにします。)
こんな内容でした。
保険会社は、
この2つの潮流のどちらを採用すると決めたら、
とことん突き進むつもりのようです。
@のグループでは、
『抗がん剤の治療』
について新しい取り組みを用意し始めました。
まだ、数社しか商品化していませんが、
約款に記載された抗がん剤を使った治療を受けた場合に
月単位で5万、10万、15万などの金額が支払われ、
その限度はある会社は60ヶ月、
またある会社は120ヶ月と、ある意味、
長期に支払われるのです。
@のグループは最初に書いたように、
治療のステージごとを細分化し、
そこに任意加入の医療保険を特約として用意するグループです。
この場合、受けた治療が約款に書いてあるか、無いのかが極めて重要になります。
例えばサリドマイドの話をしましょう。
『サリドマイド』
つわりを和らげるため、もしくは睡眠薬として
日本でも50年ほど前に発売され、
それを妊娠中(つわりを和らげるわけですから当然妊娠中です)
に飲んだお母さんから生まれたお子様に
手や足に奇形を発生させた、
あの薬です。
この薬の名前が約款の
『対象となる抗がん剤』の一覧に掲載されています。
そうなんです、
サリドマイドは、胎児もに奇形を発生させるように、
遺伝子レベルで人体に影響を与えるのですが、
それを逆手に取った治療が現在効果を上げています。
サリドマイドが腫瘍の増殖を抑える効果がありそうだと
米国やブラジル、英国などで脚光を浴び始めたのが
1990年代です。
それが日本で多発性骨髄腫の抗がん剤として承認されたのが、
ごく最近の2008年。
2008年の承認まで、
末期のがん患者でサリドマイドに一縷の望みをかけたご家族は
医師を通じて個人輸入をしていた現実があります。
これが、以前ブログでご紹介したドラッグラグにつながるのです。
http://ameblo.jp/hoken-i-mark/entry-10990675188.html
我々がご案内する、任意加入のがん保険は
外国で効果が認められ、使われ始めた薬が、
日本において承認されるまでの期間に、
患者さんが自由診療として満額負担した
薬や治療費用を保障するように努力して欲しいのです。
いや、欲しい、では無く
『そうあらねばならないはずだ』
といつも思っています。
それが不可能であるなら、
細分化した治療ステージごとに特約を用意する努力は
根本的にお客様を守ることを放棄してしまったように感じます。
それなら、
Aのグループのように
がんと診断されたとき、
大きなお金を受け取り、
そのお金の尽きるまで
がんと、
とことん戦うほうが、
患者さんにも、
それから、がん保険をご案内した担当者にも
安心を与えてくれるように思います。
がん保険の新しい商品や特約が出たと聞いて、
小躍りしながら約款を確認すると、
いつもがっかりさせられます。
保険会社さんの奮起を期待しています。