以前、ブログで生命保険業界の歴史的な経緯の中で、
無配当商品と有配当商品に分かれた理由を
ご説明しました。
http://ameblo.jp/hoken-i-mark/entry-10982611396.html
本日は少し専門的になってしまいますが、
無配当商品のなかでも、
配当の三利源のひとつ、
利差益の部分において
無配当ながら金利変動に対応する機能を付加された
積立利率変動型の保険について考察します。
なぜ、積立利率変動型を取り上げるかといいますと、
同じ積立利率変動型と名乗っている商品の中に、
おおまかに分けると
2種類のタイプが存在していて、
その2種類は機能において決定的に違うものだということ。
少なくともお客様に利率変動型の保険をご案内する
保険ナビゲーターは
その2種類の違いを理解した上で
お客様にご案内する必要があると思からなのです。
では、ある保険会社のパンフレットで
積立利率変動型について説明している部分を抜き出してみます。
以下、パンフレットから抜粋。
・この保険の資産は他の保険種類とは明確に区分経理され、
独立した運用・管理を行っています。
(区分経理という言葉はプロならしっかり理解しておいてください。
区分経理とはいえ、一般勘定での運用だということも意味していますね。)マスター追記
・増加保険金額や解約返戻金は積立金に基づいて計算されます。
積立利率は毎月見直され、その利率に応じて積立金が増加しますが、
2.0%を最低保証いたします。
・資産運用の実績によっては、
ご契約から5年ごとの契約応当日に
有効に継続している契約に対して、積立金を積み増すことがあります。
となっています。
ナビゲーター諸君。
この文言だけで、どこの保険会社の商品か分かりますね。
さて、もう一つ別のグループに属する積立利率変動型の商品を販売する保険会社の
パンフレットからも説明している部分を抜き出します。
以下、パンフレットから抜粋。
・積立利率は毎月見直し、市場金利を反映します。
・積立利率の上昇により積立金が増加すると、その金額に応じて
増加保険金額が発生し、解約返戻金が増加します。
・積立利率が年1.75%(最低保証)を上回った場合、
増加保険金額が発生します。
一度増えた増加保険金額は、その後積立利率が下がったとしても減ることはありません。
【*積立利率とは、積立金(将来の保険金をお支払するために、
保険料の中から積み立てた部分)に付利する利率をいい、
10年国債の応募者利回りをもとに決定されます。
*ご契約者に対して、年1回、その時点の積立利率と過去12か月間の積立利率等を
お知らせします。】
この商品も、どこの会社か読んだだけで分かりますか。
さて、上記2つの商品のパンフレットを並べて
増加保険金の部分に集中してよーく比較してみてください。
違いを発見できますか?
利率が片方は2%でもう片方は1.75%なので、
2%の方が有利だ。
なんて、素人のようなことは言わないでくださいね。
違いは増加保険金が発生する時期にあります。
分かりますか?
私が作った分類用語で表現すると、
@責任準備金早期積立タイプ
A保険金敏感反応タイプ
に分かれるわけです。
この分類では、どちらが優れているのか?
ナビゲーターなら答えを持っていますね。
この違いをもう少し掘り下げると、
ある保険商品が思い浮かびます。
そうなんです、
保険金敏感反応タイプにも2種類あります。
ある保険会社の商品に設定されている
オプションAとオプションBの違いですね。
こちらもどちらをお勧めするのか、
お客様のニーズを的確に捉えて、
しっかりとした判断を提示することが必要です。
お客様に上記の違いを連綿とご説明する必要は無いと思いますが、
少なくとも『保険ナビゲーター』は
しっかり理解しておくことが大切です。
11月に、ある保険会社さんからの依頼で、
札幌において保険代理店さん向けの研修会の講師をさせていただきます。
その時も、上記の違いに焦点をあてて、
セミナーを進めていく予定です。
早速、パンフレットを並べて確認してみてください。