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米国の古典的な経済書や小説に

しばしば登場する大統領の名前。

ハーバート・フーヴァー大統領

経済書などでは、

就任直後の１９２９年に発生した

世界大恐慌に対する無策ぶりを

無能な大統領と評しています。

ウィキペディアから彼の業績を引用します。

前年の選挙で「どの鍋にも鶏一羽を、どのガレージにも車二台を！」

というスローガンを掲げて圧勝したフーヴァーは、

1929年3月4日の就任式の大統領就任演説で

「今日、われわれアメリカ人は、どの国の歴史にも見られなかったほど、

貧困に対する最終的勝利日に近づいている……」と語った。

しかし、その見通しは甘すぎた。

既に陰りが見えていたアメリカ経済は、10月の世界恐慌 で未曾有の大不況に突入。

フーヴァーは振り回されることになってしまう。

彼は、「不況はしばらくすれば元の景気に回復する。」という古典派経済学 の姿勢を貫き、

国内においては、政府による経済介入を最小限に抑える政策を継続した。

その一方で、対外的にはスムート・ホーレー法 のもとで保護貿易 政策をとった。

このことは、世界恐慌を深刻にさせた一因とも指摘される。

恐慌脱出にむけての道筋が見いだせない中、

彼が発表した政策として有名なものが

第一次世界大戦で英仏に融資した戦債の返済を1年間猶予する

「フーヴァーモラトリアム 」である。

彼は、この政策を実行すれば、

その1年間の間に景気は回復するだろうと考えており、

次のフランクリン・ルーズベルト 大統領がニューディール政策 で

民間経済にも積極的に介入したのに対し、

フーヴァーは政府や国家レベルでの対策しか講じなかった。

これが、結果として景気をさらに悪化させる事になってしまう。

結局フーヴァーは、世界恐慌に対して有効な政策が取れないまま、

1932年の大統領選挙に挑み対立候補の民主党フランクリン・ルーズベルト に

40州以上で敗北する歴史的大敗を喫した。

1933年の任期満了をもって大統領職を退き、政界から引退した。

フーヴァーにとって就任直後の世界恐慌そのものが、

不幸だったのかもしれません。

彼は経済というものは

神の手にゆだねたほうが良いという

信念に基づいて行動しただけだったかもしれません。

平時に登場した大統領だったとしたら、

大過なく任期を全うした平凡な大統領だったかもしれません。

しかし、後世の学者にとって無能な大統領の一人と

烙印を押されてしまったことはくつがえせない事実です。

日本の首相がポジションに固執するのは、

後世の歴史家に

『無能な首相の一人』

と烙印を押されないために

逆転の一打を打たなくてはならないと考え、

そのチャンスを狙っているからなのでしょうか。

大逆転のさよなら満塁ホームランを期待したいものです。